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曲線の概形(curve sketching)

与えられた方程式が表わしている曲線の性質を調べ,その曲線の概形を描くことを考えましょう.そのためには次のことに注意しなければなりません.

  1. 曲線の対称性の有無
  2. 曲線の存在範囲
  3. 曲線が座標軸と交わる点
  4. 漸近線と,曲線の漸近線への近づき方
  5. 曲線の増減,曲線の凹凸,極値と極値をとる点,変曲点

問題によっては,まだ調べなければならないこともあり,またこのうちのいくつかを省いても実際に曲線の概形を描くことができることもあります.

  1. 右辺は x の奇関数なので原点に対して対称となります.
  2. 有理関数なので分母が0以外でこの関数は存在.
  3. x 軸との交点は y = 0 より x = 0,また y 軸との交点は x = 0 より y = 0 となり,原点でしか座標軸に交わりません.
  4. まず, より は漸近線です.次に

    とかけるので, y = x も漸近線です.

  5. より が極値の候補となります.ここで増減表を書くと

    となります.これより曲線の概形は次のようになります.

  
Figure 2.7: 概形

次に極座標で与えられた曲線の概形について考えてみましょう.まず,その前に極座標とは何なのかを学びましょう.

座標を用いる理由は点の位置を決めるためです.ただ,どういう基準で決めるかによって違ってきます.たとえば直交座標系では垂直に交わる2本の直線を基準に座標を決めます.極座標系(polar coordinate system)  では 極(pole)  とよばれる点と極からのびる極軸(polar axis)  とよばれる軸によって座標を決めます.

直交座標平面上に1点P(x,y) が与えられたとします.このとき点Pを極座標で表わすとどうなるでしょうか.まず,原点Oを極として極から点Pを通る光線を放ちます.このとき極軸とこの光線の作る角が ならば,この光線を で表わします.次に極から点Pまでの距離を |r| で表わします.すると,点Pの位置は r の組 によって完全に決めることができます.この を点P(x,y) の 極座標(polar coordinate)  とよびます.

このとき点Pの直交座標 (x,y) と極座標 の間には

という関係があります.したがって

となります.これより, r の値が与えられれば,点P(x,y) の位置は決まります.しかし,点P(x,y) の位置が与えられても r の値は一意的に定まりません.次の例題を考えてみましょう.

より となります.これより点Pは光線 で極から点Pまでの距離は2となるので,点Pの極座標は と表わすことができます.ところが,光線 r = -2 ととると点Pを表わすことができます.よって点Pの極座標は .他にも などいろいろあります.図2.8参照

  
Figure 2.8: 極座標

曲線の方程式が直交座標で

で与えられるとき,この方程式を極座標で表わすと,

となります.このように極座標で表わされた曲線の方程式を 極方程式(polar equation)  といいます.

とおくと, より r = 2, -2

ここで極方程式の代表的なものをいくつか見てみましょう.

  1. は偶関数より よって x 軸に対称.これよりグラフを描くには から まで調べればよいことが分ります.
  2. 次に を 0 から まで変化させたときの r の変化を調べます.

    これより心臓形(cardiod)  とよばれる次の図2.9を得ます.

  
Figure 2.9: cardioid

  1. は偶関数より よって x 軸に対称.これよりグラフを描くには から まで調べればよいことが分ります.
  2. 次に を 0 から まで変化させたときの r の変化を調べます.

    これよりリマソン(Limacon)  とよばれる次の図2.10を得ます.

  
Figure 2.10: limacon

[H]





Hisashi Yokota
Thu Dec 26 14:08:48 GMT+0900 1996